松阪牛・神戸ビーフ・近江牛・米沢牛 — 名乗る条件を並べると、決め方がまるで違った
「日本三大和牛」という呼び方に公的な定めはなく、どの銘柄を入れるかは紹介する人によって違います。ここでは名前がよく挙がる4銘柄について、名乗るための条件を一次資料どおりに並べました。性別・産地の決め方・月齢・格付のどれを条件にするかが、銘柄ごとに違います。

ひと目で
性別
| 松阪牛 | 未経産の雌牛 |
|---|---|
| 神戸ビーフ | 未経産の雌牛・去勢牛 |
| 近江牛 | 性別の定めなし |
| 米沢牛 | 未経産の雌牛 |
産地の決め方
| 松阪牛 | 生後12か月齢までに松阪牛生産区域(旧22市町村)に導入され、区域内での肥育期間が最長・最終 |
|---|---|
| 神戸ビーフ | 兵庫県で肥育 |
| 近江牛 | 滋賀県が最長かつ最終の飼養地 |
| 米沢牛 | 置賜地域(米沢市・南陽市・長井市・高畠町・川西町・飯豊町・白鷹町・小国町)が最長かつ最終の飼養地 |
月齢
| 松阪牛 | 定めなし(出典に要件として書かれていない) |
|---|---|
| 神戸ビーフ | 28か月齢以上/60か月齢以下 |
| 近江牛 | 定めなし(出典に要件として書かれていない) |
| 米沢牛 | 33か月齢以上 |
格付
| 松阪牛 | 定めなし(出典に要件として書かれていない) |
|---|---|
| 神戸ビーフ | 肉質等級4以上/歩留等級A・B/BMS No.6以上 |
| 近江牛 | 定めなし(出典に要件として書かれていない) |
| 米沢牛 | 肉質等級3以上 |
そのほかの条件
| 松阪牛 | 松阪牛個体識別管理システムに登録されていること |
|---|---|
| 神戸ビーフ | 枝肉重量:未経産雌牛270〜499.9kg、去勢牛300〜499.9kg と畜は但馬牛と同じ兵庫県内6か所の食肉センター |
| 近江牛 | 近江牛飼養管理マニュアルに準じて肥育。肥育中期以降は稲わら中心に給与 |
| 米沢牛 | 定めなし(出典に要件として書かれていない) |
松阪牛には定義が2つある
地理的表示に登録されているのは「特産松阪牛」で、上の松阪牛(松阪市の定義)とは別の定義です。特産松阪牛の条件は次のとおりです。
- 兵庫県で生まれた黒毛和種の雌牛を12か月齢までに導入
- 900日以上肥育(38か月齢以上まで)
- と畜は三重県松阪食肉公社または東京都中央卸売市場食肉市場
神戸ビーフと但馬牛
神戸ビーフの素牛は但馬牛で、但馬牛も地理的表示に登録されています。両者の格付の条件は次のとおりです。
| 神戸ビーフ | 肉質等級4以上/歩留等級A・B/BMS No.6以上 |
|---|---|
| 但馬牛 | 肉質等級2以上/歩留等級A・B |
出典
- 松阪牛の定義 — 松阪市 ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-18
- 地理的表示 登録番号第3号「神戸ビーフ」明細書 — 農林水産省(地理的表示保護制度) ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-18
- 地理的表示 登録番号第56号「近江牛」明細書 — 農林水産省(地理的表示保護制度) ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-18
- 地理的表示 登録番号第26号「米沢牛」明細書 — 農林水産省(地理的表示保護制度) ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-18
- 地理的表示 登録番号第25号「特産松阪牛」明細書 — 農林水産省(地理的表示保護制度) ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-18
- 地理的表示 登録番号第2号「但馬牛」明細書 — 農林水産省(地理的表示保護制度) ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-18
各銘柄の条件の出典は、それぞれの銘柄ページに載せています。