「和牛」と表示できる牛は? 4品種と国内での出生・飼養 — 銘柄牛100件の内訳つき
「和牛」は産地ではなく品種の区分です。農林水産省のガイドラインでは、黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種とそれらの交雑種で、国内で出生し国内で飼養された牛の肉だけを「和牛」と表示できます。この名鑑の銘柄牛100件では、和牛の品種を条件にする銘柄が87件、交雑種や乳用種など和牛ではない銘柄が11件でした。
「和牛」と表示できる品種
ガイドラインが挙げる品種は次のとおりです(原文の順)。
- 黒毛和種
- 褐毛和種
- 日本短角種
- 無角和種
- 上の品種間の交配による交雑種
- その交雑種と上の品種との交配による交雑種
農林水産省の広報誌は、国内で肥育されている和牛の90%以上が黒毛和種だとしています。
国内で出生し、国内で飼養されたこと
品種だけでは足りません。ガイドラインは、品種を家畜改良増殖法に基づく登録制度の書類(登録証明書・子牛登記証明書・血統を証明する書類、または両親が登録されている牛の授精証明書など)で証明でき、かつ、品種と「国内で出生し、国内で飼養された」ことを牛トレーサビリティ制度(牛個体識別台帳)で確認できる牛の肉に限っています。
全国食肉事業協同組合連合会のハンドブックは、海外で「WAGYU」「神戸牛」と表示されて流通している牛肉は、輸入しても登録制度で和牛と確認できないため、日本では和牛と表示できないと説明しています。
似た表示も同じ条件
「WAGYU」「わぎゅう」「ワギュウ」のように和牛と誤認されるおそれのある言葉や、「黒毛和牛」「褐毛和牛」「日本短角牛」「無角和牛」といった品種名も、同じ条件を満たすものに限って表示できます。黒毛和種でない牛の肉に「黒牛」など「黒」の字を使うときは、品種名か品種の組合せを併記するとされています。
出典: [W001]
ガイドラインの位置づけ
このガイドラインは、牛肉・豚肉を売るすべての事業者の自主的な取組を促す指針です。農林水産省の検討会の資料は、「和牛」表示は法令に具体的な規定がなく、食肉の公正競争規約という自主的なルールで決まっていると説明しています。
この名鑑の銘柄牛の品種
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黒毛和種75 件
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交雑種(黒毛和種×ホルスタイン種) 和牛ではない7 件
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和牛(品種の限定なし)6 件
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ホルスタイン種 和牛ではない3 件
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日本短角種3 件
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褐毛和種3 件
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乳用種 和牛ではない1 件
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定めなし(出典に要件として書かれていない)2 件
品種は各銘柄の定義(地理的表示の明細書・協議会や県の基準)に書かれたものです。「和牛(品種の限定なし)」は、定義が「和牛」とだけ書いている銘柄です。
和牛ではない銘柄牛
交雑種(黒毛和種×ホルスタイン種)や乳用種の銘柄は、銘柄牛であっても「和牛」とは表示できません。この名鑑では英語名に Wagyu を使わず、ページに「和牛ではない」と表示しています。
「黒豚」も同じガイドライン
同じガイドラインは、「黒豚」と表示できるのは純粋バークシャー種の豚の肉とし、外国産と誤認されないよう原産地を併記するとしています。この名鑑でバークシャー種を条件にする銘柄豚は次のとおりです。
出典: [W001]
出典
- [W001] 和牛等特色ある食肉の表示に関するガイドライン(平成19年3月26日 18生畜第2676号 農林水産省生産局長通知) — 農林水産省 ・ 確認日 2026-10-12
- [W002] お肉の表示ハンドブック2025(和牛の表示 23〜25ページ、ガイドライン全文 207〜209ページ) — 全国食肉事業協同組合連合会 ・ 確認日 2026-10-12
- [W003] aff(あふ)2016年8月号 特集1 和牛(1) 和牛の種類 — 農林水産省 ・ 確認日 2026-10-12
- [W004] 家畜の遺伝資源の保護に関する検討会(第3回)資料3「厳格な「和牛」表示の徹底について」 — 農林水産省 ・ 確認日 2026-10-12
農林水産省のガイドラインのPDF(W001)は画像だけで文字を読み取れないため、本文は全国食肉事業協同組合連合会のハンドブック(W002)207〜209ページに全文掲載されたもので読みました。
各銘柄の条件の出典は、それぞれの銘柄ページに載せています。